2ペンスの希望

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ハイコンテクスト反対!

今の時代はハイコンテクストな時代なのだそうだ。
ハイコンテクストとは、「文脈依存度の高い」という意味の言葉らしい。文脈依存度。
つまりは、目の前のものを自らの感性と物差しで味わうのではなく、
そのものにまつわる知識や教養といった情報をどれだけ知っているか、承知しているか、了解しているかによってそのものの味わい方、評価が変わることを良しとする社会ということにでもなろうか。
情報通、裏事情、内緒話、隠しネタに精通していることをもてはやす風潮は、確かに映画の世界でも多い。あの監督はああだとかこうだとか。実は以前はこんなものを作っていたとかとか。どっちだってイイじゃないか、そんなこと。目の前の映画に、自分の目と耳と身体で向き合うだけで十分じゃないか。そう思うのだが‥‥。
作品のイト・表現のイミを読み解く為には、バックグラウンドの知識や教養というピースをできるだけ沢山集めた方が勝ち。精一杯集めるのが偉い。そのためにも観客としての勉強・修行が不可欠というのである。
ご苦労なことだ。
面白かったか面白くなかったか、それだけで何故いけないのか。
お金を払って、勉強まで強要される筋合いはない。