2ペンスの希望

映画言論活動中です

「薄情の情」

何時頃からだろうか、泣ける度とか笑える度が取りざたされ、直ぐ泣ける、手っ取り早く笑えるものを求めるようになって来たのは?
映画紹介ページには、泣ける度ランキング、笑える度指数が並ぶ。
そんなに皆、泣きたいの・笑いたいの? 映画ってそれだけ?
宣伝コピーにも、100%泣けます、200%笑えます、なんて嘘800が踊る。
べたべたと暑苦しくって、薄ら寒くなる。 ゾッとしながらゾッとしない。
『らくごDE枝雀』【ちくま文庫1993年10月 ←元々はPHP研究所1982年6月出版『まるく笑ってらくごDE枝雀』】の中の枝雀さんと小佐田定雄さんの対談を思い出した。
二人は「落語の情」について こう語り合っている。
‥おしつけがましなったら駄目、これでもか、これでもかの「お涙頂戴」はいけまへん。
‥乾いた口調で、サラッと さりげなく 淡々と‥
‥薄い薄い「情」ほど上等の「情」
‥「薄情な情」こそが上々のもの