2ペンスの希望

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窓と鏡

以前「窓としての映画、鏡としての映画」と書いたことがある。
映画は、世界に開かれた窓・自分の外側で起きていることを知るための窓であり、
同時に、自分を映す鏡・自分の内面を知るための鏡でもある、そんな思いから出た言葉だ。何のことはない、ちょっとした映画好きなら、誰でも思い至る。
写真好きの友人とそんな話をしていたら、大昔(1978年7月〜10月)ニューヨーク近代美術館で、その名も「Mirrors and Windows」という写真展が開かれていたと教えてもらった。写真の世界では歴史的に知られた展覧会らしい。企画した写真キュレーター・ジョン・シャーカフスキーは当時こう発言している。「どの写真家の作品も、この両極(写真を自己表現の手段ととらえる鏡派と外界の探求の方法ととらえる窓派)のどちらかに完全に分類するのは不可能だ。
同席していた別の友人は、「成程ね」と感心しながらまた別の話をしてくれた。
経済界にも、「窓と鏡」という有名な法則があるというのだ。
成功を収め、周りからの尊敬を集めるリーダーには共通点がある。上手くいった時は窓の外を見て、上手くいかなかった時には鏡を見る」という法則。
提唱したのは、経営学者ジム・コリンズ。P.ドラッガーの教え子のひとりで、日本でも人気が高いそうだ。。
上手くいった時は、窓の外を見て成功の理由を "自分の外"= "外部要因" (様々な協力者や顧客、時代の追い風、景気、運など)に求め、
上手くいかなかった時には、その理由を鏡の中に探す。鏡に映った自分の姿を見て、自分の能力不足や自分の至らなさを反省する。 失敗の原因を、決して 「他人のせい」 や 「環境のせい」 にせず、自らの能力不足、見通しの甘さなどを省みて、失敗から学び、自分を高めるキッカケにしていく、これがリーダーの器というわけだ。
窓と鏡。同じ言葉でも、生きる世界が違えば、見るものも受け取るものも違ってくる。