2ペンスの希望

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DTM or DTC

3Dプリンタやレーザーカッターがモノづくりの世界を変えた。
マスプロダクションの時代からパーソナルファブリケーションの時代へ。
出版はDTP(デスクトップパブリッシング:卓上出版)が当たり前となり、音楽もDTM(デスクトップミュージック:DTPをもじってつくられた和製英語。「楽器が演奏出来なくても、マウス操作で作曲が出来る」とネットでは説明されている。) で多くが作られるようになった。同様に、映画がデスクトップで作られることに不思議はない。卓上制作映画。DTP:デスクトップムービー、或いは、DTC:デスクトップシネマとでも呼ぼうか。もっともこのDTM DTC管理人が勝手に作った造語ゆえ、辞書にも検索ワードにも出てこない。
撮影所もフィルムも終わった時代のファブレス・メーカー。
いけないといいたいわけじゃない。むしろ反対だ。
「いまどきの若者はフィルムの時代を知らないから駄目」‥そんな年寄りの繰り言こそ老害。百害あって一利なし。耳を貸さず無視すればいい。どうせ彼らは先に死ぬ。
人は皆、生まれた時代と与えられた環境の中で育っていくしかない。生まれついての映画人なんていない。ひたすらに修行や練習を重ね、ひたむきに努力・精進を続けることで、反射神経と目と耳の良さ、批評眼を養い、腕を鍛えた末に何人かの達人・名人が出来る。(楽器が演奏できるかどうかは必須ではないかもしれないが、どんな音楽が人の心に響くのか知らなければ致命的だ。)近道はない。
ひらめきや思いつき、アイディアやセンスだけでは映画は作れない。磨かれ研ぎ澄まされたものだけが使い物になっていく。 「そんなのかったるい、手っ取り早く行きたい」‥そんな人は早めに退場した方がいい。身のため・世のためだ。
何?最後が説教臭くって老害だって? ゴメン。