2ペンスの希望

映画言論活動中です

博物館‥と思って

熊本在住の渡辺京二のアンソロジー『日本詩歌思出草』【平凡社2017年4月 刊】を読んだ。あとがきに「私的な思い出を述べただけのもの」とあるが、面白く読んだ。
目に留まった幾つかを備忘録的に書き留めてみる。
それにしても、現代詩は今やとてつもなく高度難解なものになっていて、最近知りあった熊本の若い女性たちの詩も、その高度な技術で私を驚かせたけれど、結局どういう心のいとなみなのか、時代に反応しているだけなのか、なんでこんなに難解なのか、ぼけかかった私はよくわからなかった。むろんわかりたいという思いは捨てていない。今の詩は私のような老人が詩と思っていたものと、まったく違う表現に到達したのだと思えばよいのかも知れない。生活のありようも感性も考えかたも、すっかり昔と違ってしまったのが現代で、詩はただそういう時代に即応しているだけだと言われれば、そうでしょうねと引き込むしかない。難儀なことになって来たものだ。
    ⇒「詩」とある個所を 「映画」と置き換えて読み直してもらいたい。
こんなくだりもあった。
この稿はとっくに滅んだ文芸の一領域を思い出してみてもらいたいだけの、ささやかな営みであった。まあ、博物館をちょっとのぞいてみたと思って下さい。