さて 問題です。
ロバート・ワイズと井上梅次、この二人に共通する次のキイワードを埋めてください。
［□□□□］
才人監督？長命多作？職人気質？器用貧乏？‥よろずや？ダボハゼ？
答えは‥‥、どれも正解。
さらなる共通点を挙げるなら、二人とも今では忘れられた監督ということになろうか。
（忘れられたが言い過ぎなら、語られることが少なくなったと言い換えてもよろしい。）
一世風靡しながら、映画史の中の評価は高くない。Ｂ級、プログラムピクチャー監督。昔からそんな監督は数えきれないほどいた。一本撮って消えていく監督も多い中、二人は半世紀近く映画を作り続けて仕事を全うした。 享年 ワイズ91歳 井上86歳。
どんな仕事も手を抜かず、細部に工夫を凝らしながら、与えられた条件の中でひたすらどうすれば映画が面白くなるかを追求したプロフェッショナルだった。 「一つのシーンを撮るのにどれくらいの費用と時間が掛かるか計算出来なければ監督失格！ それが
井上監督の持論でした。」と弟子が語っている。
政治的信条、思想的スタンスなんて二の次三の次で構わない。職業人としての誠実、映画としての面白さが第一だ。もし今の時代、これが忘れられつつあるのだとしたら‥、それこそ問題だ。
