㉛は崔洋一 1949(S24年)年7月 生。
映画第一作は『十階のモスキート』1983年。そのことを振り返りながら上野は書いている。
十年前にわたしなどがこの新人監督に瞠目したのも物語の克明な描写力が映画的な力となっているその新人離れしたバランスの良さにおいてなのである。このバランスの良さは、当然ながら、崔洋一自身が、自主映画やアングラではなく商業映画の監督として生きていくために意識的に選んだものであろう。いわば彼は、アングラゆえの厳しさと裏腹の甘さを最初から拒否するところから、映画監督の道を歩いてきたのである。(「ガロ」1993年12月号の連載記事より)
奇しくも 同号の「ガロ」は、特集/日本のインディーズ映画を組んでいる。
かくて、崔洋一はその後 2004年から2022年まで18年にわたって事業協同組合「日本映画監督協会」第8代理事長を務めた。在任中の2006年には職能団体「監協」設立70周年を記念してこんなこともやっている。
www.youtube.comいやぁ、ひどいもんだ。いまさら文士劇でもあるまい。猿芝居 目も当てられねェ。噴飯もの。児戯にも劣る悪ふざけほど、始末に負えないものはない。ほかにもっとやることあるだろうに‥そのこと わかってる人士だって なかにはきっといることだろうに。