2ペンスの希望

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銀幕と自炊

事情があって、同じ映画をスクリーンと大型液晶モニター両方で見た。
スクリーン至上主義の皆さんには怒られそうだが‥昔なら考えられなかったことだ。
画面の大きさが与える影響、密室・洞窟性の意味、音響効果がもたらす想像以上の重要性など、改めて気づかされたことは少なくなかった。(しかし、そのことには今は触れない。機会があれば別に書く。)
時代に連れて、メディアは変わる(進化?する)。映画は映画館で見るもの、それ以外は怪しからん!という主義者は、DVDやBlu-rayで映画を見たと語る若者を非難するが、時代が変わったのだから、仕方がないじゃないか。いや、時代が変わったことを安易に認めることがそもそもの敗北、堕落の第一歩なのだ、と彼らは手厳しい。(彼らといっても、誰か他人のことを言っているんじゃない。自分の中にスクリーン至上主義の守旧派開明派が一緒に棲んでいる。)
先日、映画好きだという青年に、銀幕って何ですか、と訊かれた。「スクリーン」という言葉は、かろうじて知っていても、「銀幕」はもはやあやういようだ。映写幕に銀皮膜が塗ってあったことに由来する言葉だと知る人はもっと少ない。「エクラン」となれば、殆ど死語だろう。(Écran:スクリーンのフランス語だ。)
テレビの世界では、既に「ブラウン管」や「お茶の間」が死語化した。一方、CDやMD、DATからiPodへと進化し続ける音楽媒体だが、いまだに「レコード大賞」という言葉が生きている。もっと言えば、下駄箱、筆箱という例もある。
さて、映画はどうだろう。
ところで、「自炊」とか「自炊代行」って何のことだかご存知だろうか?自分で調理することでしょ、というアナタ、それだけじゃないんですよ、って、かく言う拙管理人だってつい最近憶えた言葉‥‥なので エラソーに言えたものじゃない。