2ペンスの希望

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こんな詩を読んだ。誰が書いたのかはつまびらかではない。

線を引くな
線を引くな/お前と俺の間に
線を引くな/強い奴と弱い奴の間に
線を引くな/役に立つ奴と役に立たない奴 の間に
線を引くな/不幸をもたらす奴と幸せを運んでくる奴の間に 
線を引くな/ずるい奴と賢い奴の間に
線を引くな/大きなものと小さなものの間に

線を引くな/息子と娘の間に/
線を引くな/王子と乞食の間に/
線を引くな/都会と田舎の間に/
線を引くな/南の国と北の国の間に/
線を引くな/白と黒の間に/

線を引くな/本物と偽物の間に
線を引くな/善意と悪意の間に
線を引くな/器用と不器用の間に
線を引くな/俺とお前の間に

線を引かないこと、線を引かないで行けるところまで行くこと、それは怖いことだ。
線を引くことで人はとりあえずは安心する。安心して考えることをやめる(こともある)。
決めること・選ぶことより、棚上げしたまま進むことの方が数段キツイ。
宙吊りのままの前進には、強さが求められる。
線をひかないことは子供には真似出来ない《大人の智慧》なのかもしれない。
‥と、ここまで書いてきて、はたと困った。
決めることは、監督の唯一といっていい仕事なのだから。決めないと監督失格だ。
監督の仕事は引き算、プロデューサーの仕事は足し算。だからなのか、拙がプロデューサー稼業を続けているのは‥。ふ〜ん、何か微妙―。