2ペンスの希望

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人に出会う 表現に出会う

映画とは何か、そんなたぐいの本は昔から山のように書かれてきた。御多分に漏れず若い頃は何冊か読んでもみた。けど、この歳(=イイ歳)になると、そんな大上段は面映い。(今は亡きYさんじゃないが、)「よせやぃ」とも云いたくなる。
つまるところ、映画をみる喜びは二つ、最近はそう思っている。
一つ目は「つかの間、魅力的な人間に出会う喜び」。
魅力のありようは様々。善人ばかりとは限らない。悪人しかり、罪人も犯人もいる。渡世人に憧れた時代もあった。中には人非人なんてのもいた。情人、愛人あたりも必須アイテムだろう。いずれにしろ、人間が見たい。その思いが強い。畢竟、動物ものやアニメ・特撮のたぐいは敬遠気味になる。守備範囲は狭くなるが、致し方ない。死ぬまで人間と付き合うしか無さそうだ。
二つ目は「映画でしか味わえない表現に出会う喜び」。これである。どれほど崇高でも、そんなのは関係ない。出来の良し悪しがすべて、かたくなにそう思っている。これについては何度も書いてきた。これからも書く。譲れない。論文であってもアジビラであっても良いけれど、出来が悪けりゃいただけない。表現に痺れるような映画が見たい。
ん?表現「映画でしか味わえない表現」って何かって?そんなこと一言では言えない。古今東西すべての映画人は、そのことに精進してきたし、続けてきて今に至っている‥そう思う。簡単ではない。これだけはハッキリ言える。