映画もまた、豊かで多様な比喩(譬喩)表現を持つ。換喩、提喩、転喩、諷喩、音喩、寓意、直喩、隠喩、まだまだある。順喩、逆喩、現喩、非喩、先喩、後喩、
例えば、シャッターを開ける、看板に照明が灯る、暖簾を架ける、‥‥いずれも開店・お店を始めるよの合図・置換表現だ。観客は間違いなくそう理解する。 何かが始まる予感に期待は高まる。アレゴリーやメタファー、文化的・社会的コンテクストなんてカッコつけた言い方しなくても大丈夫だ。死やセックスの暗示も得意分野だ。
映画は「嘘と誠で固めた作り物」飴細工のように壊れやすく、伽藍のごとく壮麗だ。
さりげなくオシャレな比喩、唸るような巧みな比喩、舌を巻く意外な比喩、惜しみない知恵と工夫、手練手管でそんな比喩表現がちりばめられた映画に出会うとワクワクする。