2ペンスの希望

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音楽への接近

今日も「映画は音楽に近づいている」という話。
かつて映画を作るのは専門家・プロの仕事だとされてきた。それが変わってきた。
誰もが作れるようになって来た。(上手下手、出来の良し悪しについてはとりあえず不問に付す。どの世界にだって粗悪品、もどき、はんちく、勘違いは、掃いて捨てる程ある。)
音楽にアマチュアバンド、シンガーソングライター、エトセトラ、エトセトラがあるように、
映画もそれぞれが勝手に気軽に自ら作り愉しむものとなってきた。そのスタイルやジャンルの幅が、限りなく広いことも同様だ。
製作シーンだけではない。ビジネスの形も音楽業界に近づいている。
プロ(専業者)もいれば、セミプロ(兼業者)もいる。純粋アマチュア人口も厖大に居る。どちらが偉くてどちらが拙いという話ではないところも似ている。
興行形態や流通が多彩化してきた。資本を投入したメジャー展開もあれば、手売りのインディズレーベルからブレイクする例もある。路上ライブや街頭コンサートも盛んだ。大ホール・ロングラン公演や全国ツアーから一夜限りのライブハウスまで、プレミアチケットから投げ銭まで多種多様にある。需給バランスが成り立っているかどうかは微妙なところだが、参入障壁が低くなってきたのは確かだ。
好機だとまではとても言えないが、悪くはない。そう思うし思いたいのだが、さてはて?
作る人ばっかり増えて、見る方は限りなくゼロに近づきつつあるという懸念が抜けない。
杞憂か‥‥。