2ペンスの希望

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名画座閉館

東京都内の名画座の閉館が続いている。
2014年7月20日(日)の三軒茶屋シネマの閉館に続いて、
8月31日(日)には、新橋文化劇場(隣のピンク映画館新橋ロマン劇場も)が廃業する。三軒茶屋シネマは、東京で仕事をしていた頃、ごくごく近くに住んでいたので、プログラムが変わるたびに毎週のようにお世話になっていた映画館だった。もう一軒、カッパの看板で知られた三軒茶屋中央劇場もあった。もっと前、引っ越した当初には、三軒茶屋映劇も健在だった。つまりは徒歩五分圏内に、名画座が三軒もあったのだ。一体いつの話かって?いや何20年余りも昔のことだ。当時からいつ行っても観客はまばらだった。よく持った、健闘したよ、ということかもしれない。
新橋文化は、平日の昼間は、外勤セールスマンたちの恰好のサボり場だった。とりわけ夏場は黒鞄の背広族が冷房の利いた館内で眠りこけていた。鼾を聞きながら、電車の高架下騒音の中で観る男臭いアメリカB級アクション映画。それなりの味わいだった。
名画座とミニシアターは歴然と違う。
名画座は、基本「二本立て・入替なし」というのが拙管理人の定義だ。単館ロードショー公開入替制のいわゆるミニシアターとは興行形態も思想も違う。そう思っている。
都内に残る名画座は、これで一桁になった。全国でみても、40館足らずだろう。これが、多いのか、少ないのか、まだある、というべきなのか、これだけしかない、ということなのか、は書かない。書けない。と、書いてきたら、地元関西の千里セルシーシアターも2014年8月31日を持って閉館することを知った。新橋文化も千里セルシーもきっと閉館バブル。最終日は大賑わいするんだろうな、お祭好きのお調子者が、「感動を有り難う!」とか「長い間お疲れさま」なんてスクリーンに花束を捧げて万雷の拍手を贈ったりするんじゃないかな。  なんかやだな。