2ペンスの希望

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本物以上

昨日の続き。【『こども映画教室のすすめ』2014年5月 春秋社刊より】
羽仁進の発言をふまえた是枝裕和のかえし。
「(隠し撮りで)カメラを意識していない姿が撮れることよりも、(そこにカメラがいることで)引き出されるものの方が実はすごく大切だという感覚があります。」「「気付かなかった」という表情より「撮っていいよ」と言われてカメラを向けているもののほうが強いと思っています。」「「内発的」ということ。自分の内側をさぐって自分なりの言葉を見つけ出してくれることを一番目指しています。
さらに、羽仁が受けている。「作り物の時間を通して、本物以上のものを掴んでいる瞬間が絶対にあるのです。
カメラを意識することで、ナチュラル(自然)は崩れ、演技が混じる。 それは確かだが、演じることの自覚(無意識の自意識?)から生まれる「強さ(剛毅)」と、そこに滲みだす「リアル(本当)」‥‥これこそが映画だ、という二人の会話は、示唆的だ。