2ペンスの希望

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数字の話 100/5300

佐藤秀峰さんの『漫画貧乏』【2012年4月PHP研究所 刊】によると、「一年間に漫画の単行本を出す漫画家は約5,300人で、そのうちトップ100人の印税収入が平均7000万円、残り5,200人の平均は280万円だ」そうだ。
何気なく読んで見つけたものだが、数字は正直で残酷だ。色んなことを伝える。
人気の落差の大きさ、金銭的成功を収める人の割合は2%内外だとも読めるし、我が国はまがりなりにも5000人以上の漫画家が本を出している国なのだとも分かる。(5000人の向こう側には、その数倍数十倍の予備軍もほの見える。)
翻って、映画界はどうだろうか。
印税収入7000万円なんて監督なんて見たことも聞いたこともない。年に2本以上の映画を劇場公開する映画監督もすぐ浮かぶのは数人。YさんMさんSさんTさんあたりか、どう多く見積もっても十人未満、よくて数年に1本、何年も何十年も新作が作れない(作らない?)監督が山のようにいる。質を問わず数だけを云々するのは如何‥とも思うが、市場規模・マーケットの差は歴然 リアルだ。