2ペンスの希望

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「労働映画百選」

ちょっと前、東京に住む先輩から「日本の労働映画百選」という冊子を頂戴した。
劇映画、記録映画というジャンル、映画・テレビという枠を超えて、日本の労働にまつわる映画百本が選ばれている。19世紀末リュミエール社の派遣キャメラマンによる「明治の日本」(1897〜99)から「下町ロケット」(TBS 2015)まで。管理人お奨めの「裸の島」(1960近代映協 新藤兼人)「サウダーヂ」(2011空族 富田克也)等も入っていた。
くだんの先輩は、駆け出し時代、1952年の記録映画「血のメーデー」の監督さんの助手についていたという話だ。被告として裁判を受けた話、警官隊のピストル水平撃ちが争点になった話、撮影当日 皇居前広場にはニュース映画連盟参加の演出カメラが22班出ていた話などを聞かされたそうだ。
遠く離れて見える歴史も、チャンと辿れば我々の今と地続きで繋がっていることを知る。現代史それもこの国の話なのだから当たり前と云えば当たり前だが、妙に新鮮だった。
アメリカには、労働映画データベース(THE LABOR FILM DATABASE )があり、世界13か国32地域で労働映画祭が開かれていることもこの冊子で初めて知った。