2ペンスの希望

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受け身で怠惰だなんて‥嘘だ

 映画は、映画館のシートにどっぷり身を沈めて、ひたすら受け身で身をゆだねるだけ。映画は、受け身で怠惰な安楽椅子、レベルの低い代物だ、そう考える人はもういないだろうが、以前は「趣味 読書」というとどこか高尚高級で、「趣味 映画」というとお手軽気軽・軽薄低級・ナマケモノと思われているふしがあった。(被害妄想・コンプレックスまるだしだが)

実は、大違い。映画館で映画を見るには、集中力が欠かせない。想像力の参加動員が要求される。一回生、現場性ゆえの強制力も働く。油断できない。おんぶにだっこのお子様仕様・過保護映画では、かったるくって眠くなるし、ちゃぶ台返しもしたくなる。最近はごくごくたまのことだが、固唾を呑み、息を凝らして、目が離せない映画に出会うと、思わず知らず 頬が緩んで、頭が沸騰しながら覚醒してくる。残念ながら自宅で見る映画ではそうはいかない。集中は削がれるし、一時停止で弛緩するし、ドーパミンもアドレナリンも半減する。映画館で映画を見ることは、それなりに能動的積極的な所作である。高級高度とまでは言わないが‥ナメてもらっちゃ困る。