2ペンスの希望

映画言論活動中です

映画=入湯論

f:id:kobe-yama:20210317134505j:plain


 映画は入浴に似ている。常々そう思ってきた。

入浴すると、汚れが落ち身体が綺麗になり温熱作用で血管が拡がり血流が良くなり代謝が促進する。温まって疲れが取れる。気分がほぐれ、ほっこり気持ちよくなる。管理人の若い頃には町内に必ず銭湯があり、それと同じかそれ以上に映画館が点在していた。娯楽の王様だっ大昔の話だ。街の衆は老いも若きも毎日浴びるように映画館に出掛けたものだ。時には世評に高い名湯にもこぞって出掛けた。自分だけのお気に入り温泉、朝風呂もあった。知られざる辺鄙な秘湯めぐり、長期逗留する湯治場なんてのも人気を博していた。

時代は変わった。お風呂も変わった。ヘルスセンター・健康ランド、サウナ、ジャグジー、スパ、スーパー銭湯クアハウスなどなど呼び名も施設内容も多様化した。その分、町内の歩いて行ける銭湯は消えた。大概の家庭は内風呂となり、豪奢な内湯もめずらしくなくなった。見知らぬ人と同じ湯船に浸る機会は減った。一人でゆっくりくつろぐスタイル。

f:id:kobe-yama:20210124191846j:plain

もちろん、どんな入浴スタイルを取ろうと勝手だ。ただ 願わくば、たまにではなく、毎日浴びることをお勧めする。習慣化、日常化、日課とならんことを。

何故なら、映画は浴びるものなのだから。

どっぷり浸かって体の芯までほぐして味わって貰いたい。さらに言うなら、好きな映画を求める人が増えるより、映画を好きになる人が増えることを願いたい。 何ぃ アナクロニズム・時代錯誤も甚だしい だって。そんなこたぁ 分かってらい。