2ペンスの希望

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与太本

小学館新書『映画評論家への逆襲』を読んだ。「コロナ禍で苦戦する全国のミニシアターを応援すべく、映画脚本家・監督らが行なったオンライントークショー」を書き起こした安直・お手軽本だ。ハッキリ言って、「看板に偽りあり」にわか仕込みの与太本にしかみえなかった。ちょっと前に出た光文社新書『見るレッスン 映画史特別講義』にうっすら喧嘩を売っているつもりなのかもしれないが、あまりにもオソマツだった。

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ひとつだけ、共感したフレーズがあった。

映画を舐めている監督とそれを許している観客

この何十年かの日本映画の凋落の原因のひとつには間違いなくこれがある。

もっとも「よく言うよ」「お前らが言うな」とツッコミたくもなる。

さらに厄介なのは、分かってやってるんじゃなく、無自覚無反省にやっているように見えることだ。善人づら、良心派を気取った傍若無人なふるまいではどうしようもない。救いがない。