2ペンスの希望

映画言論活動中です

「後味」こそ

「映画はなんといっても後味が一番やで」と友人と意見が一致した。バットエンドだってOK。ハッピーエンドでなくてもいい。登場人物や映画の作りがチャーミングなら、割り切れないもやもやが後に尾を引いたって一向に構わない。

「あー美味しかった。」

「ええもん見させてもらいました。」

それが最高だ。

「栄養になりました。」「お腹いっぱいです。」「楽しかったです。」「面白かったです。」なんかより 断然 いい。見たあとずっと像(シーン)が残り、長く忘れられず、深く考えさせられ、余韻に酔う、奥行きに沈む、深みにハマる ‥‥それもまたよし。

 「醍醐味」という言葉がある。もともとは乳製品を発酵の段階にしたがって五つに分け「最高の美味」を意味するサンスクリット由来の言葉だ。それが「仏教における悟りの真髄」を意味するようになり、さらに「最高のもの」「物事の深い面白さ」を表す言葉になった。「醍醐味を味わう」というのは、「すばらしい体験をする」ことであり、「本当の面白さ」すなわち「物事の深い面白さ」を堪能することだ。

さすれば、映画の醍醐味は、後味にこそあるのだと思うがいかがかな。

どうぞ存分にお召し上がりください。

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