面白く読むために必要な武器、それは「メタファー」を理解することだ、と三宅さんは説く。
「テーマ」を探すには、「メタファー」を理解できたら、はやい。メタファーとは、みんなが共有している前提に乗っかって、目に見えている設定や表現の裏で、現実ってこういうところあるよね、と示すこと。ここで大切なのは、「作者の意図」と「表現があらわすメタファー」は、必ずしも一致しなくてもいいんだ、ということ。作者すら気づいていないメタファーを読み取るのがいちばん面白い読み方だと私は思う。表現が受け入れられ「なんとなく」しっくりくるのは、私たちが無意識にメタファーを読み解いているからだ。分かりやすいメタファーばかりじゃなく、本当にうまい小説家(≒映画作家)の手にかかると、もっと複雑だが「それとしか言いようのない」メタファーが表現される。「いま自分にとって切実なテーマ」を、すごく適切なメタファーに変換することで、人に伝わることがある。読者(≒観客)はそれを受け取ることができる。経験したことないのに「分かる」と言いたくなる。(引用者による一部適宜割愛アリ 乞う御容赦)
適切でふくよかなメタファーとどれほど交感できるか、それがキイポイント。