マキノ省三の「一スジ 二ヌケ 三ドウサ 」という言葉はあまりにも有名だ。
ウイキペディアにも、
「スジはシナリオのこと、ヌケは撮影・現像の技術のこと、ドウサは俳優の演技のことである。」と載っている。
当ブログでも何度か触れてきた。
管理人の理解を改めて言うなら、この三つ 重要度の序列=優先順位などではなく、単に順序に並べただけで、マキノ先生が言いたかったことは、三つとも揃わないと映画は出来ないよ、ということ。スジ・ヌケ・ドウサの三位一体、いずれもが必要条件、どれが欠けてもダメという主張。そう理解する。
映画はこの三つの「三つ巴」
だからこそ、三ドウサも先の二つと同様に最重要なのだ。
映画監督の仕事は、シナリオを柱に、演者の体に隠された能力・ポテンシャルを引きだし、重みや厚みや弾力を持つ生身の「役」としてのリアリティを賦課する(付加する 負荷する 孵化する 富化する‥)こと。
人物の動かし方、位置関係、目線のやりとり、その上下、衣装 一式(頭のてっぺんから足元履物 装身具迄)、小道具 持ち道具、画面構成(アングル サイズ レンズ)、編集のリズム(「シーンからシーンへの推移の呼吸」©寺田寅彦)、カットの長さ、シーンの前後 入替え、音楽・効果音の使い方 などなど‥‥やることは大小さまざま、果てしなく無数。