あれこれあって、一カ月余りも経っちゃった。お待たせしました。んっ?誰も待っちゃいないよ‥ですって。だよね。昭和老人の備忘録的与太話日記。どなたも何も期待されてなんかいない‥んなことは百も承知だ。
ただ、当ブログ 回顧録でも懐古自慢でもない、どこまでも「前向き」「後ろを見るより、前を見ろ」路線でやってるつもり。
わずかでも明日の日本映画の土壌づくり・肥やしにでもなればと、ひたすらにひたぶるに「未来志向の姿勢」だけは崩したくない。
そう書いた尻から、今日は「映画の魔法使い?」小津安二郎を少々。
世界のOZU。折り紙つきの一級品。掛け値なし。国際マーケットで流通する数少ない国内ブランド だ。
1963年(昭和38年)12月12日 満六十歳の誕生日に歿。
つまり、今年2023年はOZU生誕120年 歿後60年の年なのだ。
世界各地で毎日毎日大小さまざまな催し・イベントが目白押しに並ぶ。日本に限らず世界の映画人のリスペクトを集め、欧米はもちろん、中東・東南のアジア・アフリカ諸国までファンの数は今もって果てしなく拡がり続けている。世代を超えて心酔者が生まれ、世界各国で、発掘・発見・考察・考究‥を重ねる研究者が後を絶たない。英文和文の発表論文、特集雑誌記事、出版書籍は膨大すぎて計り知れず。茫洋たる巨人。その全貌を把握する人は多分 いない。
う~ん 何だかなぁ。だって120年前に生まれ、60年前にこの世を去った「過去」の人なんだよ。今となってはまだまだ若い60歳、還暦で亡くなった「大昔の映画人」。どれだけ凄いったって、なぁ。そう思ったって不思議じゃない。けど、やっぱり凄いのだ。ここ数十年間あまたある日本映画コンクールのベストテン映画が何百本束になってかかっても勝てそうもない。OZU映画はそれくらいの奥行で作られている。平成令和の話題作意欲作新作を何十本見るより、お気に入りのOZU映画一本を何十回見る方がはるかに面白くって刺激的、そう言わしめるポテンシャルを孕んでる。汲めども尽きせぬ泉。触れると火傷じゃすまないマグマ。底知れぬ取扱注意の危険物。
んっ?えらく話が違うじゃない、って。
「後ろを見るより、前を見ろ」派の看板はどうしたのか‥ですって。
いやナニ、宗旨替えじゃない。
あくまで、「前を向くために、後ろを向く」のである。
それほどに最近の日本映画が粗悪な粗製乱造になっちまったってこと。一行一画もおろそかにしない丹精込めたつくり、丁寧な仕事にはトンとご無沙汰。お目にかからなくなっちゃった、というお話。‥‥明日に続く。