2ペンスの希望

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中二病

「個体発生は系統発生を繰り返す」というケッヘルの反復説については、批判も再評価もあるようだが、映画の世界に当てはめて考えてみたい。
何処かで進化を忘れてしまったかのような発育不全が痛ましい。なまじ歳だけは食っている「偽・大人」、何処かで成長をストップさせた「中二病」が目立つ。
中二病」と云えば、については、ライトノベル作家・塞神雹夜(さえがみ ひょうや)という人が中二病取扱説明書』を書いている。【2008年12月コトブキヤ刊】
本には、主に以下の3つのタイプが挙げられている。
DQN
反社会的な行動や不良を演じる。根はまじめだったり臆病だったりするので、本当の不良には成りきれない。喧嘩や犯罪行為に対する虚言が多い。「DQN」とは『反社会的な人』や『迷惑な不良系』を表すネットスラング
サブカル
流行に流されずマイナー路線を好み、他人とは違う特別な存在であろうとする。別にサブカルが好きなわけではなく、他人と違う趣味の自分は格好いいと思い込んでいる。
邪気眼
不思議な・超自然的な力に憧れ、自分には物の怪に憑かれたことによる、発現すると抑えられない隠された力があると思い込み、そういった設定のキャラ作りをしている。

思い当たるフシは無いだろうか?ご同輩。

いい年をして「純真な少年の心を失っていない」なんて言われてやに下がっている勘違い永遠少年(≒永遠青年?)。理屈だけは一人前以上だが腕は半人前以下・お粗末なハンチク野郎、発育不全ではた迷惑なだけの「食えない大人」が多すぎる。それも映画の世界に多いように思うのは、気のせいか。

初めて見た映画の記憶、はじめて手にしたカメラの感触。胸の中に、そのわくわく感・ドキドキ感を秘めながら、目はあくまでも高く‥、腕はどこまでも確かに‥、倦まず弛まず磨き上げ精進していく――そんな「本物の大人」は絶滅したのか。