2ペンスの希望

映画言論活動中です

1+98+1

100本の映画があったとする。
どこにも非の打ち所のない見事なのが1本、どこもかしこもボロボロ救いようのないのが1本、あとの98本はいかようにも評価可能。そう思っている。
不遜、暴論は承知の上だ。箸棒(箸にも棒にも引っかからない)が1本、箆棒(箆棒に凄い)が1本、残りはおしなべてどんぐりの背比べ。半世紀ほども映画を見てくるとそんな気分にもなってくる。殆どの映画には長所もあれば欠点もある。褒めることも貶すことも自在。批評はどんな風にでも成り立つ。
ん?何が言いたいのかって。言いたいことは幾つかある。
人の映画を評価する時は、欠点をあげつらうより長所を認める方が良い。欠点をどう補えばよいかアドバイス出来ればもっと良い。とにかく重箱の隅をほじくりまわすだけというのは止めた方が良い。
批評はラジカルでありたい。表現の奥にある作り手たちの意図に思いを致す優しさ・柔らかさを持ちたい。
瀕死の映画を救うのは、作り手たちの精進だけでは足りない。映画を観続けてきた人たちの助言・助力も繰り込んだ総力戦で行くしかなさそうだ。これまでの人生でグーの音も出ないほどノックアウトされた1本(ブラボーな1本)を持つオトナたちは、すべからく映画について何か働きかけるべし。そう思う。
そうでなければ、1+98+1は、いつ1+998+1になるかもしれない。
それでもいいというのなら何もいうことはない。