2ペンスの希望

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私にも写せますゥ

1965年 フジカシングル8のTVCM。

煩わしかったフィルム装填の手間を省いて:「マガジン ポン!」
(メカに弱いであろうと勝手に想定した)家庭婦人でも簡単操作OK:「私にも写せますゥ」
キャッチフレーズは流行語となった。年配の人にはご記憶の向きもあろう。
先日、絵が趣味で長くスケッチ帖を持ち歩く知人からこんな話を聞いた。
最近は絵を描く人の間でも、写真機を持ち歩いて写真を元に自宅で描くケースが増えているそうだ。けど彼は絶対にそうはしないという。写真はシャッターを押せば写ってしまう。現場でしっかりものを見るには、スケッチすることが一番大事、それが彼の主張だった。写真はそれを端折ってしまう。目を鍛え手を動かす力は、写真では身に付きにくい。確かに!便利は不便。
技術の進化が情け容赦なく豊かさを奪っていくことが事実あるのだ。
自分の目で観察し、それを自分の手で表現していく力が痩せていくのでは、情け無い。