2ペンスの希望

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理不尽な‥

吉川浩満さんの『理不尽な進化 遺伝子と運のあいだ』【朝日出版社 2014年10月 刊】を読んだ。
本書は専門書や学術書ではない。広く一般の読書人に向けた(少し長めの)エッセイである」と前書きで述べている通り、四百頁を超えるがサクサク読める。
たまにおさむい親父ギャグも混じるが、主張はシンプルにして明快かつ明解。
そう読めた。⇓ ⇓ ⇓  《青字はまんま引用部分 紫字は意訳(誤訳?)箇所 》
進化論の社会通念的人生論的フレームアップ=拡大解釈はいい加減やめるべし。
「競争し、適応し、進化し続けよ」は勝者の論理でしかない。
進歩・前進・改良・上昇・発展・向上「信仰」は御免蒙る。
そもそもが、
●「(ダーウィニズムもネオダーウィニズムも)弱肉強食・優勝劣敗ではない
●「自然淘汰は、なべて盲目的であくまで結果に過ぎない。
●●「適者生存は「適者は生存する」という法則ではなく、「(結果として)生存する者を適者と呼ぶ」という約束事でしかない。
●「劣っていたからというより、運が悪かった
●「論イズム 学ロジー 則ルール を 混同する勿れ」 etc.etc.‥‥
とてもじゃないが科学的判定は、当管理人(=一般の読書人)の手には負えない。けど、
生物の歴史が教えるのは、これまで地球上に出現した生物種のうち、じつに九十九・九パーセントが絶滅してきたという事実である。私たちを含む0・一パーセントの生き残りでさえ、まだ絶滅していないというだけで、いずれは絶滅することになるだろう。」という記述は、目を引いた。十分 刺激的。
「映画」≒ 絶滅危惧種 というあられもなく行儀の悪い妄想がぼんやり浮かぶ。
レッドリスト なに「赤信号みんなで渡ればこわくない」(©ツービート)って?