「自立とは依存先を増やすことである。」脳性麻痺で電動車椅子生活を送る小児科医・熊谷晋一郎さんの言葉だ。
それを受けて「身体性を大切にする」美学研究者・伊藤亜紗さんはこう書いている。
「健常者だって本当はいろんなものに依存して生きています。健常者=「自立しているフリ」をしているだけなのです。そう考えると、周囲のサポートをうまく生かしながら生きている障害者とは、「依存のスペシャリスト」であるといえます。」【『目の見えない人は世界をどう見ているのか』2015年4月 光文社新書】
なるほど。
熊谷晋一郎さんは、あちこちの講演会で繰り返しこう語りつづける。
「自立」とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。「依存先を増やしていくこと」こそが、自立なのです。これは障害の有無にかかわらず、すべての人に通じる普遍的なことだと、私は思います。」【全国大学生活協同組合連合会 保護者向けメッセージ頁「大学生協の保障制度」から引用】