2ペンスの希望

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『歩く、見る、待つ』ペドロ・コスタ ②

ペドロ・コスタの本『歩く、見る、待つ』続き。

映画においては、見せるということと同様に、見せないこと、隠すことが大切な場合があり、おそらく、映画とはあなた方のものごとに対する視線、視覚を一点に集めるものなのです。

映画とは、余剰やインフレーションに立ち向かう芸術ではないでしょうか。目的を欠いた巨額な予算、溢れるばかりの映像、過度に装飾的な効果といった、ありとあらゆるものを最大限に集めるといった考え方に抵抗するのです。映画とはもっと少ないものからできていて、それを構成する要素の数を次第に減らしていかなければならないと思います。‥(中略)‥ 迷子にならず、インフレーションのなかに巻き込まれることなく、自分自身のなかの奥底まで行かなければならない。

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