2ペンスの希望

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「筋 → 表情 → 性格」

映画も初期は筋を運び、次は表情を表す時代に発展し、そろそろ性格を表す時代になったと思う

誰の言葉か?って。小津安二郎だ。

1947年(昭和22年)春、『長屋紳士録』試写会後の座談会「映画と文学」での発言。出席者は小津以外に、志賀直哉飯島正ら。GHQ占領政策下で発行されていた映画雑誌『映画春秋』第六号に載った。小津43歳、まだ『晩春』(1949)も『東京物語』(1953)も撮っていない。「筋を運ぶ時代から、表情を映す時代へ、そして性格を表す時代へ」

なんとも鋭く深い予言ではなかろうか。

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作風は違うが、森崎東監督がかつて雑誌『公評』2000年9月号に書いた「性格が描かれていれば何も要らない」という文章を久方振りに思い出した。

(このことは2013.12.30.のブログ=

「性格さえ描かれていれば、それで良い」 - 2ペンスの希望

で書いている。宜しければどうぞ)