2ペンスの希望

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K点越え

「分かる人にはわかる」とか「届く人にしか届かない」という人がいる。高峰秀子も言っている。「わかる人は言わなくてもわかる。言わなきゃいけない人は、言ってもわからない【斎藤明美高峰秀子の言葉』2014年1月 新潮社 刊】

どこにでも通もいれば野暮もいる。だから相手の受けとれそうな球を投げるのだ、と作り手は言い訳する。あんな悪球・癖球・暴投、受けられないよ、とキャッチャーは応える。

差し出したものを相手が受け取るかどうかはわからない。差し出したものとは違うものを受け取るかもしれない。差し出した以上のものを、受け取ってもらえるかもしれない」と書いた上野千鶴子センセイもいる。【『情報生産者になる』2018年9月 筑摩書房 刊】

どれが正しいのか、どれが強いのかはにわかには決められない。それでもごくごくたまにだが、「K点越え」が生まれるからやめられない止まらない。

ものづくりは賭け・ばくちだ。投機で投企だ。手抜きは見抜かれ見透かされる。だらかやっぱり「届かない人にも届く・届かせる」力量を養って、K点越えを目指すしかない。(冴えない着地で御免)