2ペンスの希望

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広くなって狭くなった 再考

一年半ほど前に「広くなって狭くなった」という稿を書いたことがある。

kobe-yama.hatenablog.com

その時の論調は、悲観的・後ろ向きだった。時代や状況が変わったわけではないが、も少し、楽観的・前向きに考えてみる。ということで今回は「広くなって狭くなった」再考 篇。

かつて映画は劇場一択だった。映画は映画館で見るもの。映画館や上映会に足を運び、皆が一緒に同じ映画を観るのが普通だった。

今はいろんな土俵・場・環境(プラットフォーム)・媒体(メディア)で、いろんな人がいろんな文体(文法)・作法(さくほう・さほう)で作り、いろんなスタイルで享受できるようになった。

フィルム・テープ・盤を経て、配信の時代へー

技術革新と情報社会の進展・変化で、映画は広くなった。やっと文学・文芸並みのバラエティ・品揃えが整った。純映画、中間映画、通俗映画、娯楽映画、社会派映画、告白映画、自叙セルフ映画‥‥、ノンフィクション・ルポルタージュ映画、さらに勿論、艶笑映画、官能映画、ソフトポルノからハードコア・マル秘映画・裏映画までまで、何でもござれのお好み次第、嗜好の幅に合わせて広大無辺。

けど、好みは絞られ蛸壺化した。趣味じゃないものには目もくれない。わしゃ知らん、隣は何をする人ぞ。広くなって狭くなった。胃袋は縮んで小さくなっちゃった。

良い悪いじゃない。進化でもあり退化でもある時代。結局 ソレってどうなのよ。多様化・選択肢の豊穣化の果ての貧血状態‥太って痩せちゃった、ってことかも。

いけない いけない、まだぞろ、嘆き節が始まりそうなので‥今日はこの辺で‥to be continued