2ペンスの希望

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幼児性!

新作の何が駄目かって、第一は舌っ足らず、だ。前後の辻褄があわないご都合主義・意味不明・曖昧模糊の垂れ流しでは箸も進まない。いただけない。野心満々の創作料理だって、不味いものは拙い。「自由な感性」とか「自分の言葉」がいくらゆるされるからって、「伝わるか」の検証・吟味がなされないままの情動の決壊=「言いっぱなし」にはお付き合いしかねる。「思い」なんて思ってる側が思ってるだけで、受け止める側には伝わらない。そんな生煮え・舌っ足らずが多すぎる。昔は‥‥なんて言いたかないが、選別淘汰された(であろう)不良品が、今は白昼堂々と市場に並ぶ。ネット社会になって篩いかけスルーのダダ漏れ状態はさらに進んだ(もっとも当ブログだって、反省なき垂れ流しは同様・同類・同罪。自覚があるぶん罪が軽いとも思わない。為念)
間違ってはいけない。舌っ足らずは、意味的なブレやニュアンスの多様性、含意の豊かな多義性、フレ幅の大きい表現を目指すのではない。どこかで意味を曖昧にぼかして「この辺のこんな感じ」「‥ぽいよね」みたいなところで放置プレイに終始する。つまりは、説明放棄、責任回避、幼児性まるだし。野暮はいわないで‥察してね、分かって頂戴、お約束。ま、この辺で‥御勘弁願って‥。生まれてしまったんだから認めてね、出来ちゃった映画。そんな幼児退行映画には薹が立ったオジサンはときめかない。
もうひとつの幼児性は、丸抱え。おんぶに抱っこの過保護性。はいココで笑ってね、ここは泣く場面ですよ、説明過多、解説過剰、さらには感想・視聴後感まで用意された完全無欠ゆるぎなきプラスチック・パッケージ商品、とここまで書けばほぼお分かりだろう。
別称:ベタ映画。ベタベタ映画。
どなたか、大人の新作映画(註:邦画限定)を教えてほしい。