2ペンスの希望

映画言論活動中です

予告編

怒り

「森粼映画は、怒劇だ」と書いたら、お前さんのブログはさしずめ怒ブログだ、と知人から冷やかされた。確かに。ブログを始めるまで自分がこんなに怒りっぽい性格だとは全く思わなかった。 昔は良かった凄かったとは口が裂けても言いたくない方なのだが、 昔…

天国と地獄

今日は『天国と地獄』予告編・日本版。アメリカ版より2分近く長い。 志村喬は『醜聞』の弁護士役から捜査本部長役に出世(?)した。ひきかえ三井弘次はどちらでも記者役(厳密には、『醜聞』では雑誌キャメラマン、『天国と地獄』では新聞記者)。二人とも…

HIGH and LOW

黒澤明『天国と地獄』のアメリカ公開予告編。1963年といえば丁度50年前だ。 ゴルゴ13ばりともソール・バスばりとも云えそうなサスペンス売り路線。 映画学生必見というNYタイムズのコメントが微笑ましい。

モノクロ4

『It's a Wonderful Life 素晴らしき哉、人生!』 1946年 フランク・キャプラ 監督/製作/脚本‥‥最近見直してまた唸った。 かつてはベストテン常連の名作だったが、最近は忘れられているような気がしていたら、今をときめくヒットメーカーM谷K喜センセも…

モノクロ3

『The Tarnished Angels 翼に賭ける命』 1958年 ダグラス・サーク 監督 いかにもハリウッド的な演技だが‥見せる。 アメリカの増村保造か?

モノクロ1

間違っても名作ベストテンに選ばれることはないが、思い出深い映画は山ほどある。 アメリカ産のモノクロ映画に絞って幾つか紹介する。 『The Naked Kiss 裸のキッス』1964年 サミュエル・フラー 監督/製作/脚本 アメリカの三隅研次か?

シベール

少女にも惹かれた。 映画『シベールの日曜日』1962年製作・1963年日本公開。 フランソワーズと名乗る少女、演じたのはパトリシア・ゴッジ。 劇場予告編ではなく、Blu−ray発売予告編。 音楽はモーリス・ジャール。 「名前」とは何なのか。戦争とは、記憶…

J・モロー

もっと大人にも魅了された。 ジャンヌ・モロー。 『突然炎のごとく』(原題は“jules et jim”)1962年製作1964年日本公開。 音楽はジョルジュ・ドルリュー。 ルイ・マル、トリュフォー、O・ウェルズ、ブニュエル、‥‥、名だたる監督が次々に起用し…

モニカ

大人の女性にも憧れた。 モニカ・ヴィッティ 『太陽は一人ぼっち』1962年製作・日本公開 音楽はジョヴァンニ・フスコ。映画以上に音楽がヒットした。 撮影当時モニカ・ヴィッティ30歳 アラン・ドロン26歳だった。 二人ともご存命とは慶賀の至り。

ナナ

十代、自分の小遣いで観はじめた頃、映画は女優さんで選んだ。監督さんの名前で映画を観るようになったのはずっと後の話だ。映画的初恋は『2ペンスの希望』のヒロイン「カルメーラ」(マリア・フィオーレ)だった。次なるミューズは「ナナ」(或いはアンナ…

映画は映画 女は女

映画は映画である。 ということで(何が「ということで」なのかは‥さておき) 今日は『女は女である』予告編 1961年製作・公開のJLG長編第三作。当時雑誌「映画の友」だったか「スクリーン」だったかで新作情報を読んだ記憶がある。グラビア写真は白黒印…

目年増?

予告編の方が面白かった、というのは珍しいことではない。 白黒無声映画、白いリムジン、ファナティックな乞食、謎めいた美女、ミュージカル、仮面、オスカーという名前‥‥ファンの気をそそる映画的意匠(衣裳!)には事欠かない。しかし、いざ脱がしてみると…

『少年』

1969年大島渚の映画『少年』 「少年のような」といえばおおむねは褒め言葉だ。初々しい・純真・無垢・ナイーブ・計算高くない。しかし、自らの経験に則して言うのだが、そんないいもんじゃなかった。姑息で度量が狭くてひがみ根性丸出しの部分もあった。…

『MAX mon amour』

1986年欧州に招かれてO島監督が作った映画『MAX mon amour』(マックス,モン・アムール)公開は1987年。 最近見直した。フツーに良く出来たフランス映画だったと改めて感心した。脚本はJean-Claude Carrière(ジャン=クロード・カリエール)撮影はR…

の・ようなもの

1981年『の・ようなもの』脚本・監督:森田芳光 撮影:渡部眞、二人ともにデビュー作、新人コンビだった。思い返せば、この頃からかも‥。映画でないのに映画のようなものがスクリーンに混じり始めたのは‥。ただ、この映画『の・ようなもの』は、よく出来た映…

ジュリー

1974年『炎の肖像』完璧に上手く行っているというわけではないが、虚構と現実が交錯するつくり。沢田研二が人気ロック歌手ジュリーとしてそのまま登場する。脚本:内田栄一 監督:藤田敏八 撮影:山崎善弘。沢田研二26歳 秋吉久美子20歳。 埋め込み拒否のよ…

四畳半

1973年『四畳半 襖の裏張り』 脚本・監督:神代辰巳 撮影:姫田真佐久 四畳半から覗く世相・透けて見える時代。予告編の字幕「男と女の 焼肉のたれ,」はチーフ助監督・鴨田好史の案だろうか。

『フラッシュバックメモリーズ 3D』

久しぶりに予告編。 先日書いた松江哲明『フラッシュバックメモリーズ3D』 残念ながら2Dで送ります。とりあえず。やむをえず。

道代

関根恵子より断然 安田道代だった。ラベルが違う、というか、レベルが違う、というか。 もちろん今でも高橋惠子より大楠道代派だ。ただ、二人ともに今活かされているとは言いがたいのが寂しい。ということで、今日は久しぶりの予告編。『痴人の愛』も考えた…

勝手

ネットサーフィンしてたら、こんなのを見つけた。 劇場公開当時の予告編と、デジタル編集時代の今になってファン(らしき人物)が勝手に作った予告編。撮影所時代の予告編は、チーフ助監督が作るというのが大方の相場だった。中には、予告編の方が出来が良い…

「責任」の所在

大手シネコンに対抗して、一括りにされることも少なくないミニシアターだが、その歴史や運営形態は多様だ。昨日書いた伊勢の進富座さんや北海道浦河の大黒座さんなどは、自主独立の個人経営、他にもNPO団体やシネクラブ組織が運営するもの、公設民営のも…

C調

C調=軽薄で調子のいい人。C調=明るいメジャーな調子(ハ長調) C調=1960年代ジャズマンの楽屋言葉から広まり、一世風靡した流行語。けど、もはや死語か。しかしある時期C調といえば、何といってもクレージーキャッツであり植木等だった。 ということ…

映写室

四十年ぶりに映写室から映画を覗き見た。35mmの映写機と16mm映写機が並んだ狭い映写室から映画を見たのは、大学時代以来だった。埃っぽく狭い空間、フィルムの匂い、機械油の匂いなどを嗅ぐとゾクゾクワクワクする感覚が蘇ってきた。通っていた大学には…

プロちゅうもん

舟木一夫の映画といえば、日活の一連の青春歌謡映画がすぐに思い浮かぶ。が、こんなのもあった。1967年東京映画『その人は昔』共演内藤洋子。原作・脚色・監督松山善三。撮影岡崎宏三。音楽船村徹。「白馬のルンナ」から「みだれ髪」まで‥‥どんな球が来ても打…

二本立

今日は、予告編とメーキングの二本立でご機嫌を伺う。今でも若い世代に人気があるらしい寺山修司の1974『田園に死す』と 知る人ぞ知るJ.A.シーザーの「耳切虫海伝記」。 『田園に死す』のウイキペディアには、「ラストシーンは『幕末太陽傳』から影響…

夢?

映画とは何か?について、基本的なキイワードを忘れていた。夢。 一抹の夢。見果てぬ夢、夢のまた夢、夢なき夢、醒めたまま見る夢。甘い夢、苦い夢、悪夢、正夢、逆夢、夢の跡。夢の名残り、夢の通い路、夢占い。夢うつつの夢語り。夢心地の夢物語。夢の浮橋…

スマホで映画

昨日京都の「ふや町映画タウン」のことを書いた。その時、ホームページのURLを書いておこうと思っていて忘れてしまった。( ったく、歳は取りたくないないものだ。) あらためて、記して置く。http://dejan.dyndns.tv/f_eigatown/ 騙されたと思って是非一…

地産地生

昨日は、「ご当地映画」について取り上げた。うっすら後味の悪い思いが残ったので、 今日は、ひとつ口直しを‥。 岡山県でトマト農家をやりながら映画を作る山崎樹一郎さんの長編第一作をあげる。 予告編で、映画のレベルもラベルも大違いだということが上手く…

ご当地映画

相変わらずご当地映画がお盛んなようだ。何とか話題を作って地域活性化を図りたい「ご当地」と、何でもいいから映画を撮りたい「二流の映画人」が野合しての無駄遣いとしか思えない事案がゴロゴロある。 うわべだけの地域礼賛、嘘臭い幸福感。 出資からロケ・サ…

母が亡くなった。九十歳を超えての老衰だから大往生だと言っていい。 映画が好きだった。若い頃はゲーリークーパーの大ファンで、嵩じて映画館のモギリまでやったという話を聞いた。邦画では東千代之介がお気に入りだった。東京の下町育ちで終生江戸弁が抜け…