2ペンスの希望

映画言論活動中です

予告編

「死んでもいい」

「死んでもいい」というタイトルを聞いて、ロートルが一番に思い浮かべるのは、1962年米仏希合作の映画だ。 監督ジュールズ・ダッシン。出演は、メリナ・メルクーリ、アンソニー・パーキンス 、ラフ・ヴァローネ。 原題は Phaedra ギリシャ悲劇”フェ…

「黄昏のビギン」

今「黄昏のビギン」といえば、ちあきなおみだろうが、元々は、永六輔中村八大コンビの作詞作曲、水原弘歌1959年10月発売のシングル盤だ。管理人世代は皆 水原弘版で聴いて育った。その由来と軌跡を丁寧に辿った本を読んだ。佐藤剛さんの『黄昏のビギンの物語…

3×3D

これも昨日の佐々木敦さんの本『ゴダール原論 映画・世界・ソニマージュ 』で知ったのだが、日本では未公開の3D映画『3×3D』の予告編がYouTubeに上がっていた。 ジャン・リュック・ゴダールとピーター・グリーナウェイ、エドガー・ペラー、 3人…

三連打

先日観たと書いた「貧乏人が作った邦画」って、これじゃないと友人から私信を貰った。 ピンポーン! 世代を超えて愛着する人が多い。管理人もその一人だが、間違っても日本映画の正史には登場しそうにない。 ということで、 今日は、YouTubeにある『竜二』動…

『親密さ』

ヒリヒリする映画を見た。2012年の日本映画。 撮ること、演じること、見ること、そのスリルとサスペンス。ハラハラドキドキ。 弱さと強さ。もろさとかたさ。近さと遠さ。細かな注文はあるが文句なし。たどたどしくもきっぱり迷いなし。溢れながらに過不…

『ああ爆弾』

後年のatg映画『肉弾』より1964『ああ爆弾』の方がお気に入りだ。細かなカット割りでスピーディ、テンポよく畳み込むリズムに乗せられた。 封切り併映は勅使河原宏の『砂の女』だった。なんともスゴイ二本立て。

『独立愚連隊』

今日は久し振りに予告編。大阪の高校時代浴びるように映画を見ていた頃に好きになった岡本喜八監督。家から徒歩十分にあった「南田辺東宝」で全部見た。 1959 独立愚連隊。 佐藤允と雪村いづみは憶えていたが、鶴田浩二や三船敏郎が出ていたことはすっかり忘…

WHO WAS THAT MAN!?

今夏も何人もの映画人が逝った。沖島勲さん。享年74歳。7月5日永眠。テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」の脚本家として知られる。全1470話のうち1230本を手掛けた。これが世を忍ぶ仮の姿だったかどうかは知らない。けどその昔、生意気盛りの映画青年にとっ…

『ゆきゆきて、神軍』

昨日の対談に敬意を表して‥もっともご当人は向こう見ずなのに脇が甘い(と拙管理人は感じてきたのだが)‥いずれ にしろ‥ 原一男さんの代表作であり、同時に奥崎謙三さんのPR映画でもある1987年公開の 『ゆきゆきて、神軍』 二本立て。 予告編:多分 色…

ファン・ガッティ

タイトルデザイナーをもう一人だけ。スペインのファン・ガッティ[Juan Gatti]。 ペドロ・アルモドバル[Pedro Almodóvar ]と永くタッグを組む。タイトルはもとより、ポスター、チラシ類も手掛ける。右はポスター群。オープニング動画を探してみたが 見当たら…

1カットの予告編

最近珍しい予告編を見た。 手持ち1分7秒のワンシーンワンカット。 本編では、更にこの前に1分10秒あまり 縁先での一芝居から玄関口に回りこむくだりがある。つまり2分20秒近くワンカット。予告編はその後半部分を切り取ったものだ。 正直山田洋次監…

「新しき民」

前作が面白かったので注目している山崎樹一郎さんの新作が出来上がったよ、と 知人から教えられた。 『新しき民』岡山県真庭市で作られた。なんと時代劇・白黒だ。(ということは、現代劇・カラーに比べて、格段に時間もお金も掛かるということだ。)不見転…

実録路線 急

三日目 東映京都 脚本:高田宏治 監督:深作欣二 撮影:中島徹 美術:井川徳道 編集:堀池幸三 音楽:津島利章 助監督:篠塚正秀 (1977年2月26日封切り)予告編には渡瀬恒彦が出てくるが、撮影中の事故で降板、本編には登場しない。 他にも色々因縁…

実録路線 破

実録路線 二日目は www.youtube.com 東映東京 脚本:鴨井達比古+松田寛夫 神波史男 監督:深作欣二 撮影:仲沢半次郎 美術:桑名忠之 編集:田中修 音楽:津島利章 助監督:小平裕(1975年2月15日封切り) 独房の壁に残したと伝えられる石川力夫の時…

実録路線 序

9月に書いた春日太一さんの本『あかん奴ら』に続いて、同時代の東映京都撮影所に 取材した伊藤彰彦さんの『映画の奈落 北陸代理戦争事件』 を読んだ。【国書刊行会2014年5月刊】 伊藤さんご自身が書かれているように「ノンフィクションと、東映映画史と…

男の顔は‥

加藤泰監督の映画はたくさん見てきた。好きな映画は何本もあるが、一番思い出深い映画を一本だけ‥ということなら、迷わない。1966年松竹作品『男の顔は履歴書』 ということで、今日は久しぶりに予告編。 ちゃちな張りぼて人形、主役の棒読み丸出し台詞‥‥…

ベルモンド

もう一人、フランスのJ・P・ベルモンドも好きだった。 1959年『勝手にしやがれ』(原題:「息切れ」)この邦訳が当時新外映に居た秦早穂子さんの命名=クリーン・ヒットであることは以前書いたとおりだ。 【http://d.hatena.ne.jp/kobe-yama/20130305/136…

ニューマン

アメリカ映画のご贔屓は、ポール・ニューマンだった。 1961年製作1962年日本公開 ロバート・ロッセン製作・脚本・監督『ハスラー』 相手役も助演陣も文句無し、丁寧に作られた一篇。 背景がレモンイエロー色のポスターというのも当時としては斬新だった。 あ…

チブルスキー1

お気に入りだった男優さんといえば、やはりいの一番に 浮かぶのは、スビグニエフ・チブルスキー。 誰?それ、という人も多いだろう。 「ポーランドのジェームス・ディーン」と言われたって、 ご本家・ジェームス・ディーンもご存じなかろうゆえ、 どうしようもな…

午前0時の映画祭

「午前0時の映画祭」というのを最近知った。 大手映画会社がやってる「午前十時の映画祭」ではない。 深夜0時にWeb.を使ってみんなで一緒に映画を見ようという試み(祭?)である。 謳い文句にはこうある。 「パブリックドメイン(著作権切れ)の名作をUSTREAM…

コロンビア女神像

映画のオープニングタイトルシリーズ コロンビア映画篇。まずは基本版。自由の女神のようだが違う。コロンビア・レディと言うそうだ。纏っているのはアメリカの国旗。 創業間なし 1934年のタイトルはコレ。 1964年製作スリラー映画「Strait-Jackets」(原題…

Zazie dans le métro

レイモン・クノーとくれば、やはり『地下鉄のザジ』 1960年 ルイ・マル監督。おっと、ここは 類・〇監督とでも表記した方がよいかも‥。

役者字幕

正直、公開当時は、横溝正史も角川映画も二級品じゃないか、と敬遠していた。(市川崑は嫌いじゃなかったんだが‥) 横溝より乱歩、乱歩より久作だった。角川より大映・東宝だった。日活・松竹・東映もあった。従って、往年の話題作 横溝・市川・石坂トリオの…

『拾った女』

リチャード・ウィドマークという俳優が好きだった。西部劇や犯罪モノで活躍した。一筋縄ではいかなそうなニヒルな風貌・冷たい笑顔に惹かれた。それでももちろん全部見ているわけではない。むしろ見逃した映画のほうが多い。 1953年『拾った女』もそのう…

SK5

『フルメタル・ジャケット』Full Metal Jacket1987 今日は予告編の二本立。 どっちがそそるでしょう? キューブリック7年ぶりの新作が来るというので、大いに期待して東京で観た。 ロードショーというコトバがかろうじて生きていた頃のことだ。

SK4

4本目は『時計じかけのオレンジ』A Clockwork Orange1971 予告編もスタイリッシュ。

SK3

キューブリック第三弾は、 『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb1964 この辺りからは、同時代的に見ている。といっても東洋の…

SK2

キューブリック予告編2本目。 『現金(げんなま)に体を張れ』The Killing1956 ちらりとビンセント・エドワーズ(TVシリーズ「ベン・ケーシー」)の姿も見える。 昨日と今日の二本は封切りでなくリバイバルで観た。 現なまもベン・ケーシーも封切りもリバ…

SK1

年初め予告編シリーズ・キューブリック篇。 (誰しも思い当たることだろうが)世評に名高くてもどうしても見られない映画がある。 スタンリー・キューブリックStanley Kubrick,『2001年宇宙の旅』2001:A Space Odyssey1968がそうだ。キューブリックが…

長距離ランナー

今日は、『長距離ランナーの孤独』The Loneliness of the Long Distance Runner1962英国の予告編。 どこまでも単独行。襷を繋ぐことは‥ありやなしや?その相手は‥‥ありやなしや?