2ペンスの希望

映画言論活動中です

予告編

けもの道 つづく

映画は名の知れた映画会社が作るものとは限らない。 木村プロダクション・木村元保さんは「1934年 東京墨田区生まれの鉄工所のオヤジさん」で「"特撮の木村"の異名で知られた関東の自主製作映画マニア」であり、「大映 (東京?)撮影所で三年撮影助手をしてい…

人間蒸発

昨日に続き、今村昌平の1967年 粘着力全開映画『人間蒸発』製作は今村プロ+日本映画新社+ATG。 今はフェイク・ドキュメンタリーとかモキュメンタリーとか云うらしいが、ロートルは知らない。だって、すべての映画は作り物・フィクションじゃなかろうか。嘘…

ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR

今日は 1976年夏東映系列館で上映されたドキュメンタリー映画。ポスターがやたらカッコよかった。 大阪曽根崎にあった梅田東映の満杯オールナイトで観た。暴走族とかカミナリ族とかの昭和語は もはや死語か。神の御加護を願った初々しい少年たちも もうはや …

回顧懐古 予告編 五連結⑤

五連結 最後。 ⑤『樹氷のよろめき』【1968年 制作:現代映画社】 「樹氷のよろめき」(公開年月日 1968年01月31日) 予告篇 『秋津温泉』『水で書かれた物語』とともに、管理人が喜重ベストスリーに数える一本。北海道・室蘭ロケ。後年演劇演出で名を成す蜷川…

回顧懐古 予告編 五連結④

しつこく 回顧懐古 予告編シリーズ④ ④『炎と女』【1967年 製作:現代映画社】 炎與女 Impasse │ 高雄市電影館【不安の時代-吉田喜重的情慾與虐殺】 性の幻想、脅迫、殺意、深淵、復権、業罰、‥‥ 監督ご本人は一作ごとに主題も表現スタイルも変えたと主張さ…

回顧懐古 予告編 五連結③

吉田喜重監督作品:勝手に回顧懐古 予告編シリーズ③ ③『情炎』【1967年 製作:現代映画社】 情炎 Flames of Love │ 高雄市電影館【不安の時代-吉田喜重的情慾與虐殺】 「エロ+文芸」路線?! 〈裸を売り物に「性の消費」という商品価値を前面に押し出そう…

回顧懐古 予告編 五連結②

①『水で書かれた物語』に続く予告編シリーズ。 吉田喜重監督ご本人曰く「性を主題とした五作品」 ②『女のみづうみ』【1966年 製作:現代映画社】 ③『情炎』【1967年 同 】 ④『炎と女』【1967年 同 】 ⑤『樹氷のよろめき』【1968年 同 】 ②から⑤までの四本は…

回顧懐古 予告編 五連結①

勝手に、「吉田×舩橋 対話本 刊行記念 レトロスペクティブ」「性を主題とした五作品」(談 吉田喜重) の予告編 連打 始めます。 ①『水で書かれた物語』【1965年 製作:中日映画社】 1965年 ニュース映画や記録映画を作ってきた中日映画社が劇映画制作に乗り…

JLG5

Pierrot Le Fou - Trailer 京都朝日会館だったか、美松劇場だったか、その後は祇園会館で、繰り返し観た。美術と文学、ラストのランボーにもシビレタ。浜辺のスタンドでビールを二杯注文するベルモンドに給仕娘が「何故二杯?」と尋ね、ベルモンドが「一杯飲…

JLG4

【予告】軽蔑 配給会社からフィルムを借りてきて大学の講堂で何度も何度も上映して稼いだ思い出の映画。邦画は大島渚の『日本春歌考』、洋画は『軽蔑』‥裸・エロチックシーンに惹かれて学生が集まり、どちらも毎回大入り満員だった。

JLG3

映画『女と男のいる舗道』予告編 ジャン=リュック・ゴダール これで完全に、アンナ・カリーナにイカれた。きっと当時生意気盛りの多くの青年達がそうだった筈だ。大阪ミナミの劇場に通い、館主さんに断って上映後のポスターを貰って帰り部屋の壁に貼って喜ん…

JLG2

Une femme est une femme - Trailer 「世界の映画史はゴダール以前とゴダール以後に区分される」とどなたかが言っていたが、いささか大げさすぎる。もっと下世話で下衆な私的ゴダール同時代史を少々 シリーズで。 最初の記憶は、雑誌『映画の友』だったか『…

「悪名は無名に勝る」ヤな渡世だなぁ

何時の頃からか、政治や芸能の世界では「悪名は無名に勝る」という風潮がまかり通ってる。悪いこと、恥ずかしいこと、何でもいいから、目立ったもの勝ち、話題になればOK、節操も何もあったもんじゃないってか。きっと、八尾の朝吉親分は草葉の陰で怒ってる…

『JuBAL』

管理人御贔屓の濱口竜介さんがこんな文章を書いている。 大学に入ってから、それまで見てきた映画のジャンルががらっと変わって、ハリウッド映画といった「面白い」映画だけでなく、ヌーベルヴァーグ、ニュージャーマンシネマ、アメリカン・インディペンデン…

雲と泥

またぞろ 発作的な更新でゴメン。 人の映画をとやかく言うのはいい加減 止めたら‥とさんざん各位に諫められてるのに、「アンタ三十年間何を積んできたの」と言いたくなる日本映画を観た。 思い付きと思いこみだけでは、悲しい、哀しい。或る人の映評で半世紀…

久方振りに

久方振りに、新しい映画に出会ったので、備忘録的に書く。 春本雄二郎監督の映画『かぞくへ』 春本監督ググってみたら、1978年神戸生まれ。日芸の監督専攻を出たあと 松竹京撮でテレビの仕事を重ね、フリーとなって今は東京で活動中らしい。 『かぞくへ…

空族サーガ

山梨甲府を中心に活動してきた映画集団 “空族” の軌跡を綴った2分13秒。 彼らのことはこれまでも何度か取り上げてきたが、そそられる画がある。 若い若いと思っていたが、活動開始から二十年あまりも経っていることに改めて驚く。 初期の8mm画質が懐かし…

ひそひそ ひとり言

今日は予告編、二つ。 SS監督の2016年の作。 まず、国内向け。 次に、海外向け。 特段 何も言うことはないが、 昭和レトロのフューチャーは、記号的 図式的で チープ=安手で安易。 ダメとは言わないが、2回見ようとは思わない。日本の映画のSOS。

高野

九人目は『空族』の高野貴子キャメラマン。1973〜 これまで挙げてきた面々よりは若いが、それでももう40代。 2017年春公開の空族最新作は担当していないようだが、管理人のお気に入り、 当代ピカイチ。 ということで ここは『サウダーヂ』 : 以前にも一度…

長田

六番目は長田勇市キャメラマン。1950〜 雑食型でなんでもこなすが、 『TATTOO[刺青]あり』 土砂降り雨の夜間 クレーンカットが衝撃的だった。

川上

五番は『サード』川上皓市キャメラマン。1946〜

姫田

手当たり次第何でもかんでも見た時代から、俳優で見る時代、監督で見る時代を経て、キャメラマンに惹かれて見ていた時代が確かにあった。 その頃のお気に入り何人かを、しばらくシリーズで。 トップバッターは、姫田真佐久キャメラマン。1916〜1997 (それ以…

『息の跡』

『息の跡』という記録映画を見てきた。 小森はるかさんという28歳の映像作家が撮った長編第一作。好感の持てるつくりで、面白く見た。悪くはない。悪くはないが良くもない。手放しで褒めるほどではない、そう思ってしまった。映画は作り易くなった分、いよい…

世界は広い

若い頃から外国映画は、欧米中心に見てきた。おかげでアジアの映画には疎い。数日前に勧められてタイの映画を見た。2015年制作の『ฟรีแลนซ์..ห้ามป่วย ห้ามพัก ห้ามรักหมอ』去年の大阪アジアン映画祭ABC賞受賞映画ということで、関西ローカル深夜枠の朝日放…

どっちもいい

昨日に続いて予告編 二本。 1952 HIgh Noon Fジンネマン(邦題:真昼の決闘) 1959 Rio Bravo Hホークス (邦題:リオ・ブラボー) High Noonの評価の高さに反発したHホークスが、「プロのくせに一般市民に助けを求めるなんて‥あんなののどこがいいんだ。」…

お見事リメイク

洋の東西を問わず、リメイク映画はあまり上手くいかないというのが通り相場のようだが、今日は珍しい例外の紹介。スタイリッシュな都会派コメディ。 1947年ダニー・ケイ『虹をつかむ男』 2013年ベン・スティラー『LIFE』』 原題はともに“The Secret Life of …

『Tom à la ferme 』

久し振りに予告編を挙げる。といっても日本公開は2014年秋のことだ。 1989年カナダ・モントリオール生まれの役者兼監督Xavier Dolanが2013年に作った『Tom à la ferme』 三連打。 まずは、「特報」2:02 「配給会社アップリンクの公式予告編」1:36 「どなたか…

H/T

神戸三宮のシネコンで『ヒッチコック/トリュフォー』を観てきた。 神戸では一館のみの「独占上映」。公開第二週の土曜日の午後、152席に観客は9人だった。その前後に上映のアニメは若い人中心に結構な入りだったのに‥‥残念。 多分今年最後の予告編。前段…

写真・写真家・映画

今日は久しぶりに、予告編。 若い知人から教えて貰った写真家ロバート・フランクの ドキュメンタリー映画。御年91歳。スイス出身米国在住。その目でアメリカ人を撮った“THE AMERICANS”(1958)は昔見たことがあった。星条旗やマイノリティを捉えたショットが巧…

「死んでもいい」

「死んでもいい」というタイトルを聞いて、ロートルが一番に思い浮かべるのは、1962年米仏希合作の映画だ。 監督ジュールズ・ダッシン。出演は、メリナ・メルクーリ、アンソニー・パーキンス 、ラフ・ヴァローネ。 原題は Phaedra ギリシャ悲劇”フェ…