2ペンスの希望

映画言論活動中です

2016-01-01から1年間の記事一覧

一山当てる

それにしても、どうして皆「赤字にならなければめっけもの」「とんとんなら御の字」などとつましく謙虚なのだろ。「コレで一山当てよう」という山師には久しくお目に掛からない。現実を見渡せばとても楽観も妄想も難しい、ということなのだろう。良く分かる…

自転車操業

映画の興行は通常三か月以上前にはプログラムが確定しているるのが常態だ。何十本かの映画をそれも日替わりで上映するという「特集」型の名画座は大変だ。一昨日からの内藤篤日記本の続き。 以下、一部要約も交えて‥ 「権利元が多数社に散らばる特集というの…

確信犯の産物

それにしても、死屍累々、討ち死につぐ討ち死に‥えっ何のことかって? 昨日に続く 内藤本『円山町瀬戸際日記』2006年編の話。 山口百恵特集。「女優・山口百恵1973−1980]主演作だけでなく出演作全18本一挙ラインナップ。続いて「鈴木清順 48本勝負」って、そ…

瀬戸際 袋小路 道楽的

円山町つながりというわけではないのだが、数日前から内藤篤さんの『円山町瀬戸際日誌』を読んでいる。【羽鳥書店2015年12月 刊】内藤さんは1958年生まれ、弁護士であり、同時に、名画座シネマヴェーラ渋谷の館主でもある「映画好き」。専門はエンターテイメ…

ネオン・ジャーナリズム

本橋信宏さんの本を何冊か読んだ。 『鶯谷 東京最後の異界』『渋谷円山町 迷宮の花街』【ともに宝島社 鶯谷は2013年12月 円山町は2015年2月 刊】 いずれも色街とか風俗、歓楽街といわれる土地に まつわるルポルタージュ本だ。中にこんな一節がある。(152〜1…

邦題今昔

久しぶりにフランス映画「突然炎のごとく」を観た。 ヌーヴェルヴェーグ映画ファンの間では、カッコをつけて「ジュールとジム」と原題で呼ぶ人も多い。一緒に観た人たちと、しばし映画の原題と邦題を巡る話題になった。 原題に関係ない勝手なタイトルをつけ…

「死んでも可(い)いわ」

英語の“I love you”をどう日本語に訳すかについては、先人たちが頭を絞ってきた。 大学時代に国文科の先輩から聞いた夏目漱石の逸話を今も憶えている。 漱石が英語教師をしていた頃の話。或る学生が”I love you”を真っ正直に「私はあなたを愛しています」と訳…

「死んでもいい」

「死んでもいい」というタイトルを聞いて、ロートルが一番に思い浮かべるのは、1962年米仏希合作の映画だ。 監督ジュールズ・ダッシン。出演は、メリナ・メルクーリ、アンソニー・パーキンス 、ラフ・ヴァローネ。 原題は Phaedra ギリシャ悲劇”フェ…

「黄昏のビギン」

今「黄昏のビギン」といえば、ちあきなおみだろうが、元々は、永六輔中村八大コンビの作詞作曲、水原弘歌1959年10月発売のシングル盤だ。管理人世代は皆 水原弘版で聴いて育った。その由来と軌跡を丁寧に辿った本を読んだ。佐藤剛さんの『黄昏のビギンの物語…

あと一歩がたとえ大きく遠くとも

ちょっと前、アバウト苦手、指示待ち社員のことを書いた。 昨日、27年勤めた読売新聞社を2015年6月 辞めて独立記者となった加藤隆則さんが、インタビューに応えているのを読んだ。 「若い連中なんかは「どういう記事を書いたらいいんですか」とお伺い…

「本当のことを云おうか」

詩を書く人はごまんといるが、詩だけでメシが喰える詩人は少ない。日本ではただ一人ではないかと思われる谷川俊太郎さんが大阪で受けたインタビュー記事を読んだ。 「詩というものは、基本的にあいまいで多義的なもの。教育の現場では、これは何を意味してい…

「みんなで映画のつくり方を学ぶために‥」

わたしは遊ぶ 君は遊ぶ わたしたちは遊ぶ 映画で遊ぶ遊びに規則があると 君は思っている なぜなら 君は これは遊びで 大人のためだけのものだということを まだ知らずにいる 子供だからだ 君はもう大人のひとりだ なぜなら君は これは子供たちの 遊びだとい…

3×3D

これも昨日の佐々木敦さんの本『ゴダール原論 映画・世界・ソニマージュ 』で知ったのだが、日本では未公開の3D映画『3×3D』の予告編がYouTubeに上がっていた。 ジャン・リュック・ゴダールとピーター・グリーナウェイ、エドガー・ペラー、 3人…

『ゴダール原論』

世にゴダール好きは多い。 多分インテリ&インテリもどきを刺激する成分含有量が多いのだろう。恥ずかしながら かくいう管理人もその一人だ。 ということで、 2016年1月に出た佐々木敦さんの『ゴダール原論 映画・世界・ソニマージュ 』【新潮社】を読…

アバウト苦手

「たのしい授業」という雑誌がある。 教育学者・板倉聖宣さんが提唱する「仮説実験授業」など科学教育を中心にした月刊誌だ。1983年創刊、最新2016年4月号で447号、小学校の教員を中心に読まれている。ちょっと前の号でこんなのを読んだ。最近の…

三度繰り返す

「伝えたいこと、強調したいことは三度繰り返せ。手を変え品を変え登場させることで、印象が強くなり、記憶される度合いは格段に伸びる。これは映画の鉄則の一つだよ。」 若い頃 先輩から口酸っぱく教えられてきた。くどい、しつこいと言われながら、この習…

たまには只ものじゃないものに

世の中には只のものがあふれている。マクドナルドはスマイル0円だ。 タダより高いものはないともいう。身銭を切らない知識は偽物、碌な物じゃない、とも。 いずれ真実だろう。 雑誌を定期購読しなくなって久しい。新聞もとうに止めた。それでも本屋に行く習…

引き返せなくなってしまう気が‥

さらに、映画『旅する映写機』の冊子の話。高知県 大心劇場の小松秀吉さんの言葉。「上映もデジタル化すれば簡単になると思うけど、何だか味気ない。田んぼでも農薬を使えば楽だけど、楽なほうへ行ったら引き返せなくなってしまう気がする。」 至言。 文化的…

三位一体

昨日の続き。映画『旅する映写機』のパンフレット冒頭に、プラネット映画資料図書館 神戸映画資料館安井喜雄館長さんの文章が載っていた。 「その昔「映画は三位一体だ」といった人があった。すなわち「観る」「創る」「映写する」の三つが揃って初めて「映…

映写機 愛

東京時代にお世話になった女性監督Mさんが、ご自身の映画『旅する映写機』のパンフレットを送って下さった。映画公開時に買いそびれていたので嬉しかった。 よくある映画のパンフレットは、冒頭に著名人・文化人の感想・コメントが麗々しく掲げられていたり…

「大事」より「面白い」

「本を売ってごはんをたべたい、という人たち。本にはまだまだ何かができると思っている人たち。本は大事なものだから、自分たちが犠牲になってでも売ろう、なんてことではなくて、どうすれば本を売ることで面白い仕事ができるか、を考える人がたくさんいま…

奇天烈建築

世界には、奇天烈デザインの建築物が山のようにある。最近魅かれた三つを挙げる。 ⇒ディズニーランドじゃない。ポーランドの都市ソポトにあるショッピングセンター。 ⇒ドバイに建つ超高層ビル。75階建て・高さは307メートル。 ⇒アメリカカンザスシティ…

MUTO a wall-painted animation by BLU

3月2日にアニメの起源・チョークアニメのことを書いた。今日はその進化形。 WEBの世界では超有名らしい。7年前に公開、世界中で既に11,636,865回見られている。面妖だが面白い。今ならさしずめ「きもかわいい」といったところか。

六根◎◎

六根清浄という言葉がある。仏教に由来する言葉だ。 六根というのは、眼(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)、身(触覚)の五感に第六感「心意(意識)」を加えて六根。 この六根から生じるさまざまな不浄の欲望を遠ざけ、身を清らかに保つべし。それが「六根…

五里霧中

日本の映画は五里霧中。暗中模索。どうしようもない手詰まり、行きどまり。万事休すの立ち往生。見渡す限り霧の中。事情もはっきりせず、様子も分からぬまま。 それでも手探りで何かをすることだ。動かなければ始まらない。求めなければ授からない。楽天夢中…

四苦八苦

日本の映画は四苦八苦している。 自転車操業による無理を重ねながら、何とか帳尻を合わせている。 邦画バブルなんて見掛け倒しの嘘八百。中身も質もないのに、見かけの数の多さを誇る、それをバブルというのならその通りだろうが‥。 四苦とは「生老病死」で…

三連打

先日観たと書いた「貧乏人が作った邦画」って、これじゃないと友人から私信を貰った。 ピンポーン! 世代を超えて愛着する人が多い。管理人もその一人だが、間違っても日本映画の正史には登場しそうにない。 ということで、 今日は、YouTubeにある『竜二』動…

二重性

映画における役者と演技の関係性についてはずっと考え続けてきた。役を演じるというのはどういうことなのだろうか。私たちは寅さんを観ながら、同時に渥美清を見ている。竜二を観ながら、金子正次を見ている。魅かれるのはその二重性だ。役に重ねながら、役…

一筋縄ではいかぬ

数日前、極東の旧作自主映画と泰西の名画二本立てを観た。 例によって題名は書かない、内緒。少しだけヒント。作られたのはともに1980年代。 邦画はヤクザのホームドラマ、洋画は監督自身の体験に基づく少年映画である。 いやぁ、両方ともむちゃくちゃ面白か…

時事三題

当ブログは、個別映画批評や時事ネタは原則禁止、出来るだけ避けてきた。けど 今日は禁を破って時事ネタ三題。焼肉弁当、立ち合い変わり身、キネ旬最新号。キヨハラ張り込み報道陣焼肉弁当差し入れ事案。(判らん人はググってみて) キヨハラ周辺の“男気”の…